
沖縄って実は日本で一番神社が少ない県って知ってましたか?
そんな中で特別な存在感を放つのが、海の上に浮かぶ竜宮城のような神社「波上宮(なみのうえぐう)」です。
ちなみに、沖縄に神社が少ないのは日本本土と祈りのスタイルが根本的に違うから。本土では昔から村ごとに神社があり、そこに氏神様を祀っていました。
一方、沖縄では村ごとに御嶽(うたき)という祈りの場があって、本土のように社殿や鳥居があるわけではなく、木々が生い茂る森や岩場そのものが聖域でした。
波上宮のある場所も元々は海神を祀る御嶽でした。
14〜15世紀頃、琉球は中国や東南アジア、日本と交易を盛んに行い、この地は国の玄関口として航海安全の祈りが欠かせない聖地になりました。
そこで薩摩や九州など日本から訪れる人々の心を掴み交易拡大につなげる為、航海安全や海運繁栄のご利益がある熊野信仰を取り入れ、神社の形を整え今の形になったと考えられているのだそう。
ちなみに、創建当初は、本土式神社に近い外観で、赤瓦もシーサーもなかったと言われていますが、今は、沖縄らしさや耐久性を考慮しこのような形になっています。

こんな感じで本殿は沖縄らしい赤瓦仕様。
沖縄は台風が多い地域なので、首里城や士族の屋敷など特に格式高いお屋敷では雨に強い焼き固めた瓦を屋根に使うのが一般的でした。

本殿の両側には、狛犬ではなくシーサーが!
実は、狛犬とシーサーの起源は同じで“獅子(ライオン)のこと。
日本本土の狛犬は朝鮮経由から伝わったもの、沖縄のシーサーは中国経由で伝わったもので独自に進化して今の形になったそう。
右側は口を開けたオスで、悪いもの・邪気・災厄を外に吐き出す、左側は口を閉じたメスで中にある幸福を逃がさないという意味があり、対になっているのは日本の狛犬とほぼ一緒。

お守りも沖縄らしく紅型仕様です。お土産としても人気が高いそう!
ちなみに波上宮は、多くの神々を生んだ母神である伊弉冉尊(イザナミノミコト)、日本本土から勧請された航海守護の神熊野三所権現が祭られていること、国家や人々を守って
きた総鎮守であることから「縁結び・恋愛成就」「安産祈願・子授け」「航海安全・海運繁栄」「家内安全・商売繁盛」とたくさんのご利益がありパワースポットとして地元の人にも人気の神社です。
波上宮のすぐ傍には波の上ビーチという那覇市で唯一のビーチもあるのでぜひ立ち
寄ってみてください!

海の上に浮かぶように佇む波上宮は、沖縄らしさと本土文化が出会った「融合の神社」。
歴史を知ってから訪れると、ただの参拝ではなく、琉球と本土をつないだ物語の続きを歩いているような感覚になります。
沖縄に来た際は、ぜひ潮風に包まれながらその景色と祈りを体感してみてください。